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1937年 昭和12年「青年」8月号


1937年

昭和12年「青年」8月号 大日本連合青年団発行

戦前の青年向けの情報雑誌であります。

求人や時事記事などの情報が比較的幅広く載っております

それでは、気になる記事を見つけましたので考察したいと思うのであります。

「人口問題の要点」

-激増する日本の人口-

法学博士 上田貞次郎 氏

ご存知のとうり日本の人口は年々激増している。

現在6900万人

一年で約100万人増えている。

日本の将来は、どうか。

皮算用式に無限に増え続けるとは思わないから

9000万人前後になると思う。(文中)

2015年現在は、1億2000万人で人口減少が問題となっておりますが

約80年前(戦前)あたりは、6900万人で人口増が問題となっております。

国変わらずとも、時間軸で問題の中身が真逆に変化しているのであります。

日本の人口の変化は、日本独自の時代的変化がいくつかあり、非常に興味深いのですが

今回は、戦前の問題です。

人口増加の要点としては、

大人の寿命が伸びている分けでもなく、

子供の死亡数が減ったことが大きな理由だそうです。

そして、増加の問題点として

義務教育を経て、社会に出る青年男女。

年々50万人以上増える働く人。

この増え続ける働く人に対して

どのようにして仕事を与え続けるか

これがこの人口問題の中心点である。(文中)

というのであります。

要するに仕事がないということであります。

人口が増加しているのは、6大都市部。

大正9年と比較して

地方で農業に従事する人の増減の変化は極めて少ない。

地方には、長男が家・仕事(農業)を継ぎ、次男三男は都市部に出て働く。

次男三男達が都市部集まるが仕事がない。

問題は、都市部の仕事、長男以外の仕事となります。

ではどうしたら・・・

農業国から工業国化することで

輸出産業が伸び、広く国民に職ができ、所得が生まれ

生活水準が発展する。

人口問題は、このような形で解決するのではないか。(文中)

とのこと

別の記事に、満州国が非常に豊かな土地という紹介で

移住を促進しておりますので

この問題の解は、国内の人口増問題を国内で解決せず、海外の資源・貿易増や移住促進といった

拡大を拡大で補うことでありました。

そして

北米・南米・満州などへの移民政策があり、4年後には、米国との戦争であります。

何かの因果があったかもしれないのであります。

良いも悪いも歴史があり、今があります。

先人からの学びなのであります。

<時代考察参考雑誌>

1937年 昭和12年「青年」8月号

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