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1962年昭和37年8月 週刊朝日 「この17年の無戦争」

1962年昭和37年8月 週刊朝日

「この17年の無戦争」

今回は、終戦から17年後の昭和37年8月発行、週刊朝日の終戦記念記事であります。

「日清以来の新記録」

日本は、日清戦争から太平洋戦争敗戦まで、ほぼ10年おきに戦争や出兵を繰り返しており、

当時は、17年間無戦争で「平和記録更新中!」ということなのであります。

ということは、現在2015年は、さらに70年間無戦争平和記録更新中ということになるのであります。

(日清戦争・日露戦争・対独宣戦・シベリア出兵・満州事変・日華事変・太平洋戦争)

(勝利 敗戦)

そして、この記事では、17年間無戦争の平和の日々について各方面の著名な方々に、感想を頂いております。

気になった部分をまとめて引用します。

獅子文六 氏(作家)

私たちは10年立てば戦争が起こるものと考えていた。戦争をすると勝つものと日本全体が考えていた。

したたかの目にあった戦争から17年たちその間無戦争だった(敢えて、平和とはいわないが)

なかのしげはる氏 (作家)

17年間戦争がなかった。これは喜ばしいことだ。

しかし、これは、日本が直接戦争に飛び込まなかったというまでのことだ

井深 大 氏(ソニー社長)

戦争を放棄した平和な新しい日本が生まれたのではあるが

「戦争がなければ」と、我々がかつて夢みていた理想郷は、実現したであろうか

たしかに戦争の直接の被害はあり得ないが、国内での争いは、かえって多くなったのではないだろうか

左右の思想の対立、政治の争い、労使間の争い、戦争にも近いにくしみを含んだとげとげしさが

はんらんしているのではなかろうか

そして

当時の雰囲気を考察してみるのです

戦時中と比べれば、絶対今の世の中が良いんですが、さまざまな争いや問題が新たに発生し、

平和とまではいえないが、戦時中と比べるといい時代である。といった感じであります。

国内では

戦争は、国対国の争いで究極であり、最悪の状態でありますがそこを脱しますと

今度は、国内がそれまで統制がとれていたのが、それぞれが自由になり、規模・内容は異なりますが

個人・思想・組合等のみじかな争いが多くなります。

国外では

当時日本では、戦争がなかったですが世界の各地で戦争・紛争があり、米国とソ連の代理戦争・朝鮮戦争があり、

いつ日本が巻き込まれるかと皆が不安を抱いているのであります。

この感じをまとめると

戦争のない時代=平和とは、単純には言えないのであります。

日本国民は、ここまで争いを好む民族なのか? と

当時問われております。が

世界でみても、近年起こった「アラブの春」なども

独裁(統制)→民主化→民族・宗派争い。といった流れになり、似た部分が出てくるのです。

一つの争いが終わっても、また相手や理由の違う争いが始まり、

これが世界、何千年も繰り返しているのであります。

そう考えると「争いのない平和な世界」という限りなく遠い理想より

人間というものは、「基本争う」。

世界史・日本史でみても、つまるところ「争いの歴史」であり、

それを前提にした理想的・現実的な思考が必要なのではと思うのであります。

人間個体差がある限り、競い争いますので、では、

「争う機会を減らす&争い方を変える&規模を小さくする」方向で

いってみればいいのではないかと思うのであります。

そこでヒントがありました。

あるアフリカの部族がおりました。

その部族は、主に狩猟で生活をしていて

個人の所有物は、身回り品ぐらいで、狩猟の道具・生活道具はみんなの共有物なのだそうです。

みんなで作り、使い、直す。

他の部族に攻められても狩猟民族なので、固定の守る土地があるわけではないので

そのまま移動して、また日常が始まるそうで、争わないのであります。

ジャレド・ダイアモンド教授によると

狩猟時代は、狩りで移動するので固定の家や土地を持たず、身軽だったそうです。

そして、時代の変化での農耕の採用は「人類史上最悪の過ち」だそうで

これは、固定の物・土地・財産などの所有物が増えたことで争いが始まったということなのだそうです。

この2つのことから現実的方法論を考察すると

「社会主義」は、人間が堕落していく歴史があるので

基本ベースを「資本主義・民主主義」とし、文明維持・進化して行く流れをで汲んだ上で

争いを減らす方法を思案しますと

「シェアする」

・所有物を基本的に減らす。

・さまざまなコト、モノ、ヒトに依存しない。

まず、シェアハウス(賃貸でも可)に住み、シェアハウスで働き、シェアカーで移動する。

出来る限り、シェア・レンタルで対応する。

所有物を減らし、共有物を増やす。

別に使えるのであれば、100%自分のものにする必要はないのであります。

身軽になるということは、争わなくなること

背負うのもが大きく、多いほど争う確率・スケールが上がるのであります。

3,4年住む賃貸住宅の近隣トラブルと

35年ローン一戸建ての近隣トラブルとでは、比較になりません。

今、この時代で「平和・争いのない時代」を望むなら

ここからはじめるのも身近な一つの方法。とも考えるのであります。

そして、もしかしたら、こんな流れを世界が300年続け、世界各国の高齢化・成熟化がピークにあいまって、

「もう争うのしんどいわ状態」となっているかもしれないのであります。

平和への願いや祈りだけでは、現実、平和は来ないのであります。

一人一人が吐くまで考え、考え続けたら、良い方法が見つかるのです。

<時代考察参考雑誌>

1962年昭和37年8月 週刊朝日

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